カルボン酸は酸性度が強いので、以下の式のように塩基と反応してイオン性の塩を生成する。 アルカリ金属の水酸化物と単純なアミン(またはアンモニア)の場合、生成する塩は顕著なイオン性を持ち、通常、水に溶ける。 銀、水銀、鉛などの重金属は共有結合性の強い塩を形成し(第3例)、特に炭素原子4個以上からなる酸では水溶性が低下する。
RCO2H | + | NaHCO3 | RCO2(-) Na(+) + CO2 + H2O | |
RCO2H | + | (CH3)3N: | RCO2(-) (CH3)3NH(+) | |
RCO2H | + | AgOH |
炭素数6以上のアルキル鎖を持つカルボン酸および塩は、同一分子内に親水性(CO2)と疎水性(アルキル)の両方の領域を持つため、水中では特異な挙動を示す。 このような分子を両親媒性(Gk. amphi = 両方)または両親媒性と呼ぶ。 親水性部分の性質によって、これらの化合物は水面上に単分子膜を形成したり、溶液中でミセルと呼ばれる球状のクラスターを形成する。
寄稿
- William Reusch 名誉教授(Michigan State U.) Virtual Textbook of Organic Chemistry