ヒトの胸は他の近縁霊長類と比較して非常に性的に二形性がある。 この乳房の大型化の説明として,乳房の非対称性が女性の表現型の質に関する情報を含んでいるという可能性がある。 本研究の目的は、非対称性と体格、身体組成、生殖能力の指標との関係を考察することであった。 その結果、乳房の非対称性と身長、体格、乳房容積(正の相関)、乳房「密度」(負の相関)、女性の年齢および初産年齢(正の相関)との間に有意な相関を見いだした。 非対称性と乳房容積の関係は、負の同調性の証拠を示した。すなわち、乳房の大きい女性は、その乳房サイズに対して予想されるよりも非対称性が小さかったのである。 非対称性は、未婚女性に比べて既婚女性で低く、子孫の数とは負の相関があった。 乳房の非対称性を従属変数とした重回帰分析では、乳房容積との強い有意な関係(正の相関)、初産年齢(正の相関)および子孫の数(負の相関)が示された。 したがって、非対称型女性は、対称型女性に比べて、人生の後半に持つ子供の数が少なかった。 単純な線形回帰分析および重回帰分析により、乳房容積は体格および体組成(体重、身長、乳房密度)の強い予測因子であり、年齢および初潮年齢の弱い予測因子であることが示された。 また、子孫の数や初産年齢とは関連がなかった。 このデータは、マンモトロピックホルモン、特にエストロゲンは免疫系を抑制するため有害であるというテーゼを支持するものである。 体脂肪の多い女性はエストロゲンを多く分泌するため、胸が大きくなる。 しかし、エストロゲンが多くなると、バストの非対称性が増します。 良い遺伝子」を持つ女性は、大量のエストロゲンが存在するにもかかわらず、左右対称のバストを作ることができるのです。 したがって、大きくて対称的な乳房は、女性における表現型の質の高さを示す素直なシグナルといえるでしょう
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