HRB National Drugs Library

(±)-threo-methylphenidate (methyl-2-phenyl-2-(piperidin-2-yl)acetate; Ritalin®; MPH) の誤用は長く認められてきましたが、MPHの類似体が「リサーチケミカル」という形で登場したのはごく最近のことでした。 4-Fluoromethylphenidate(4F-MPH)もその一つである。 本研究では、2015年にオンライン業者から入手した2つの粉末状4F-MPH製品の同定および分析的特性評価を行った。 興味深いことに、1つの製品は(±)-threo-4F-MPH異性体からなるのに対し、2番目のサンプルは(±)-threoと(±)-erythro 4F-MPHの混合物からなることから、この製品は2つの異なるバッチのものであるように思われた。 ラット脳シナプトソームを用いたモノアミン輸送研究により、4F-MPH混合物の生物活性は(±)-threo異性体にあり、(±)-erythro異性体にはないことが、ドーパミン取り込みを阻害するために決定するより高い効力(IC 4F-MPH=66 nM vs. (±)-erythro 4F-MPH)から判明した。 IC 4F-MPH = 66 nM vs. IC (±)-threo = 61 nM vs. IC (±)-erythro = 8,528 nM)およびノルエピネフリン取り込み阻害(IC 4F-MPH = 45 nM vs. (±)-threo = 31 nM vs. IC (±)-erythro = 3,779 nM)に対して高い効力を示したことから,(±)-erythro 異性体の取り込み阻害効果は認められなかった. 一方、MPH は (±)-threo-4F-MPH よりドーパミントランスポーターに対する作用が 3 倍低く (IC = 131 nM)、ノルエピネフリントランスポーターに対する作用が約 2.5 倍低く (IC = 83 nM)であった。 また、セロトニントランスポーターに対するIC値は(±)-threo-4F-MPHが8,805 nM、MPHが>10,000 nMであり、両物質はカテコールアミン選択的であった。 これらの知見は、(±)-threo-4F-MPHの精神刺激作用がMPHよりもヒトでより強力である可能性を示唆している。 著作権 © 2017 John Wiley & Sons, Ltd.

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