Calcium ion affects gating of Ca currents. 表面電荷が関与しているが、どの程度かは不明である。 我々は、Helix aspersaの単離神経細胞体を用い、マイクロ電極-サクションピペット法による電圧クランプと内部灌流を併用して、この点を検討した。 その結果、細胞外のCaイオンをBaとSrに置換することによって生じる電流は、Ca電流よりも低い正電位で活性化されることがわかった。 MgイオンはCaチャネルを透過せず、oの変化により活性化-電位曲線のシフトが生じ、oまたはoの変化の影響に匹敵する。Ba電流の不活性化は、より低い正電位で生じる。 EGTAの細胞内注入は、電位の関数としてCa電流の不活性化を減少させたが、不活性化-電位曲線のシフトは生じなかった。 したがって、細胞内EGTAによって阻害されるCa電流依存性の不活性化には、おそらく細胞内表面電位の同様の変化は関与していない。 細胞外二価カチオンの単独あるいは混合による活性化・不活性化の電圧シフトは、結合を伴う拡散二重層に対するGouy-Chapman理論によって記述できる(Gilbert & Ehrenstein, 1969; McLaughlin, Szabo & Eisenman, 1971)。 表面電位値とボルツマン分布から、以下の実験結果を予測する表面濃度を計算した。 1) 表面電位が最大に変化しているときの電流-濃度関係の飽和、2) CaイオンがSrまたはBaイオンで置換されたときのピーク電流の増加、3) ICaよりもIBaに対するMgの抑制効果の大きさ、である。 理論的には、1 M oでも表面電荷を完全に遮蔽することはできないので、Caチャネルの特性は表面電荷の効果を考慮して評価する必要があることが示されている。 例えば、表面電荷効果を補正した後のCa, Ba, Srイオンの相対透過率は同等である。 しかし、Coイオンの存在下では、CaイオンはBaイオンよりも透過性が高く、チャネルの結合部位が関与している可能性が示唆された。