Laboratory Studies on Three C2H4O Isomers-Acetaldehyde (CH3CHO), ethylene oxide (c-C2H4O) in Interstellar and Cometary Ice, and Vinyl Alcohol (CH2CHOH) – in Interstellar and Cometary Ice

地球外氷の中で、MeVイオンの軌道に乗った電子による電子エネルギー移動過程を経て、アセトアルデヒド(CH3CHO)、酸化エチレン(C2H4O)、ビニールアルコール(CH2CHOH)の三つのC2H4Oアイソマーが生成するルートを明らかにすべく実験室内実験を実施した。 ここでは、二酸化炭素(CO2)とエチレン(C2H4)の2:1混合物に電子線を照射した結果について報告する。 その結果、超熱酸素原子がエチレン分子の炭素-炭素π結合に付加し、10Kでオキシレンジラジカル(炭素原子1個への付加)と環状エチレンオキシド分子(炭素原子2個への付加)を最初に形成し、オキシレンジラジカルはアセトアルデヒド分子への-Hシフトを起こすことが示唆されました。 エチレンオキシドとアセトアルデヒドの両異性体は、周囲の氷マトリックス中で安定化することができる。 微量ではあるが、超熱酸素原子がエチレン分子の炭素-水素結合に挿入され、ビニルアルコールを形成することがある。 これらの異性体は、低温分子雲中の被覆粒の氷層内で合成された後、雲が高温分子核の段階に達すると、新たに形成された分子は昇華することができる。 これらの実験室での研究は、Nummelinらや池田らが大質量星形成領域や高温核に向かって行った天体観測で、気相反応だけでは説明できないほどこれらの異性体の分量が多く観測されたことを説明するのに役立つ。 同様の合成経路は、C/1995 O1(ヘール・ボップ)彗星におけるアセトアルデヒドとエチレンオキシドの生成の説明に役立ち、またタイタン大気中の両異性体の存在を示唆するものである

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