この論文は、アルツハイマー病患者の配偶者199人が介護者としての機能のストレスに対してどのような反応をするかについて比較した報告である。 配偶者の性別と年齢に注目し,介護の総負担と患者の問題意識が,介護者の一連の感情的・社会的反応に及ぼす影響を検討した。 また、配偶者である介護者の抑うつ症状や不安が、介護ストレスに対する反応のパターンとどのように関連するかを検討した。 患者問題の総負担は、介護者の患者に対する怒り-憤りと最も強く正の相関を示し、次いで介護者の個人的な時間の制限や社会生活の制限に関する懸念が示された。 患者問題の個々の領域では、認知障害よりも患者の情緒不安定が介護者の反応指標に最も強い影響を与えるようであった。 介護が社会生活や人付き合いに及ぼす否定的な影響は、介護者の抑うつ症状や不安の得点に特に顕著な影響を及ぼすようであった。 配偶者介護者は、介護のストレスに対する反応のパターンに、臨床的に有意な年齢による差はなかった。 本研究は、患者に対する怒りや攻撃的な反応、社会的剥奪感や個人的犠牲の影響、さらに介護ストレスが患者のケアや家族の結束や生活の質の維持に及ぼす影響などの領域において、配偶者介護者の潜在的反応を考慮することの重要性を示唆するものであった。