彫刻の道具と技法
彫刻に使う道具は、彫る素材によって異なる。 石材は主に冷間鑿(のみ)のような鋼鉄製の道具で彫られる。 ブロックの角や隅を落とすには、ピッチャーと呼ばれる道具を重い鉄のハンマーで打ち込んでいく。 ピッチャーは厚みのあるノミのような道具で、刃先は広く面取りされており、石を削るのではなく、割るように削る。 その後、重たい先で主に荒削りをし、次に細かい先で、最終的な表面から少し離れたところまで削ることがある。 このように先の尖った道具を斜めに打ち込むことで、石は大小さまざまな欠片となって飛び散る。 爪鑿(のみ)は、刃に歯があり、表面を縦横無尽に動かして、石を粒のまま取り除き、表面の形状を整えることができる。 平ノミは、表面の彫刻を仕上げたり、細部を鋭く削るのに使われる。 その他、石鑿(のみ)、ドリル、歯付きハンマー(ブシュハンマー、ブシャール)、そして今日よく使われている、動力付きの空気圧工具など、石の表面を叩くための特殊な工具がたくさんある。
Brian Morrison/Tourism Ireland
中世の彫刻家は主に柔らかい石で作業し、平鑿を多用したため、その作品はエッジの立った切れ味を持ち、自由に深く彫られる傾向があります。 一方、硬い石を扱うのは、石を削るのに十分な硬さの金属工具を持たなかった人々である。 例えば、エジプトの花崗岩の彫刻は、表面を叩いて、研磨剤でこすり落とすという、主に研磨によって作られた。 その結果、深くくぼんでいないコンパクトな彫刻となり、エッジは柔らかく、表面は流れるような仕上がりとなった。
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木でも石でも基本的に彫刻のプロセスは同じだが、木の物理的構造によって異なる種類の道具が必要となる。 彫刻家は木彫の最初の打抜きに鋸や斧を使うこともあるが、主な道具はさまざまな木彫用鑿(のみ)である。 鋭く曲がった鑿の刃は、繊維の束を容易に切断し、正しく使用すれば木を裂くことはない。 平鑿(のみ)も、特に細部を鋭く彫るのに使われる。 木工用やすりや紙やすりを使って表面を滑らかに仕上げることもできるが、好みによっては、切子やノミのような見た目に仕上げることもできる。 木彫りの道具には広葉樹の柄があり、丸い木槌で叩かれる。 アフリカの木彫職人は、鑿(のみ)や槌ではなく、さまざまな斧を使う。 象牙は、ノコギリ、ナイフ、ヤスリ、ノミ、ドリル、スクレーパーなどを使って彫られる
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